「無花果の香り」というと、甘い果実の匂いを想像する方が多いかもしれません。しかし香水で使われる「フィグリーフアブソリュート」は、葉から抽出されるもので、果実とはかなり異なる匂いを持っています。

フィグリーフアブソリュートの特徴

フィグリーフアブソリュートは、無花果の葉を溶剤抽出して得られる香料です。グリーンで少し苦みがあり、乳液のような質感と、土っぽい温かみが混在しています。果実の甘さはほとんどなく、むしろ植物の生命力を感じさせる匂いです。香水では単独で使うよりも、他の素材と組み合わせてグリーンノートの骨格を作るために使われることが多い素材です。

Figuier de Septembreでの使い方

Morningside Cairnの「Figuier de Septembre」では、フィグリーフアブソリュートをトップからハートにかけての中心素材として使っています。ガルバナム(セリ科の植物から得られるグリーンで樹脂質の香料)と組み合わせることで、葉の苦みと草の青さを重ねています。ベースにはホワイトムスクを置き、全体を柔らかくまとめています。

9月という季節の選択

タイトルに「9月」を入れたのは、無花果の収穫が終わり、葉が少し乾き始める時期の匂いを出発点にしているからです。夏の盛りの青々とした葉ではなく、少し枯れ始めた葉の匂いは、果実の甘さよりも土と植物の混じった複雑さがあります。この「終わりかけの夏」の感覚を香りで表現することが、この作品の出発点でした。

「Figuier de Septembre」はサンプルセットに含まれています。フィグリーフの香りを実際に確認してみてください。